コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版
本書は、Philip Kotler とKevin Lane Kellerによる Marketing Management, Twelfth Edition, Prentice-Hall, 2006の邦訳である。
原著であるMarketing Managementは、マーケティングを本格的に学んだ者であれば誰もが知っているマーケティング上級テキストの決定版である。コトラー教授が所属しているノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院をはじめとして、世界のトップ・ビジネススクールで広く採用されている。もちろん、我が国のビジネス・スクールでも、多くの大学院生が手にしているようである。 1968年に初版が刊行されてから今日に至るまで、Marketing Managementは12の版を重ねるに至っている。同一タイトルの書でありながら、版を重ねるたびに内容は充実しており、それぞれの時代の要請に合致したものとなっている。我が国においてもマーケティングのバイブルとして、多くの研究者や実務家に影響を与えてきた。
第12版の邦訳である本書の最大の特徴は、ダートマス大学タック経営大学院のケラー教授を新たに共著者として迎えたことである。ケラー教授はブランド研究や消費者情報処理研究における第一人者として知られているが、彼の知見が加わったことにより、Marketing Managementの魅力は飛躍的に高まっている。
本書のもう一つの大きな特徴は、口絵や図表を原著のままとし、原著に極めて忠実な訳書とした点である。第10版の邦訳においても、口絵のカラー写真は多数採用されていた。しかし、出版事情などの理由から、カラー部分は書籍の冒頭に集め、本文での図表は白黒となっていた。今回、原著のスタイルを再現したことにより、読者はMarketing Management本来の魅力を何ら損なわず、日本語によって読み進められるようになった。我が国のマーケティング・テキスト市場を考えると、一つのイノベーションとも言える変更である。
1件のコメント
この本は素晴らしいと思います。